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蜜蜂の徒然雑記帳。うっかりネタバレしてることもあるので要注意。
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読書感想:バッカーノ!

 バッカーノ! The Rolling Bootlegs(成田良悟 / 電撃文庫)

 お も し ろ ! ! ! !

 勧めてくれた友人に感謝せずにはいられない。本当にありがとう。
 結局の所、主人公って誰だったの?という自問に、敢えて泥棒バカップルを推してみる。表紙のセンターがフィーロなのはきっと、作者か絵師か担当の気紛れに違いない。

■構成・ストーリー
 語り手が「私」に“不死者にまつわる伝説”を語る体裁。一つの時間軸が同時に複数の視点から描かれていて、場面によって次々と視点が切り替わるので「主人公が誰だか分からない」(注・作者談)。
 “不死の酒”を求める錬金術師とホムンクルス。そのホムンクルスに一目惚れしたカモッラの最年少幹部。その最年少幹部を恨むチンピラ。そのチンピラに協力を持ち掛けられるも適当にあしらうマフィアのボス。そのマフィアから金を盗もうとするバカップル―――最終的に錬金術師は死に、ホムンクルスは自由を、最年少幹部とマフィアのボスとバカップルは不死を得て、チンピラは海に沈められて“不死者にまつわる伝説”は一応の結末を迎える。立場も目的も全く異なる人々が交錯し、馬鹿騒ぎを繰り広げる様は、まるで登場人物一人一人が歯車となって物語を動かしていくような印象を受けた。
 禁酒法時代のアメリカで思い出すのが『ギャング・オブ・ニューヨーク』だったりするんだが、あの世界に“錬金術”やら“不死者”みたいなオカルト要素がミックスされても何ら違和感を感じないのがすげえ。禁酒法に引っ掛けて、不死を得る手段を“酒”にしたのが上手かったと思う。

■キャラクター
 泥棒バカップルが好き過ぎる。“不死者にまつわる伝説”の語り手だし、一番主人公っぽく描かれてるのはフィーロなんだけど(他の人物の視点まで事細かく把握してるのは、セラードは食って記憶を奪ってるし、エニスとかバカップルとかガンドール兄弟とは幾らでも話す機会があったってことで良いのか?)、物語を動かす歯車としての役割はこの二人も負けてないと思う。状況把握という意味では本当に最後まで蚊帳の外なんだけど(笑)エニスとのやり取りでは不覚にも泣きそうになった。もうっ……この馬鹿!愛すべき馬鹿!なんでそんなにイイ奴らなんだよぉ!
 2001年のフィーロはセラード爺を「孤独な男」と称したけど、それは誰も信じずひたすら知識のみを追い求める生き方を指してなのか、家族の様に思ってるファミリーやエニス、幼馴染と共に不死者として時を過ごしている自らと比べてのことなのか、それともセラードを食ったフィーロにしか分からない事情があったのか。うーん。
 アイザックとミリアの二人がバカップルの一言で済ませられるなら、キースとベルガとラックはガンドール3兄弟で片付く。てか今回の物語における3兄弟の役割ってなんだろーと考えた時に、終盤の種明かしとダラスへのお仕置きがそれか?とか思うも、続編を先に読んでフィーロと幼馴染なのもダラスの処遇も知ってるしなぁ。シリーズ物はきちんと順番通りに読みましょうってことか(悔)……あれ、マイザーさんについての感想がこれと言って浮かばないのは何でだ?
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